事務局からのお知らせ

東北大学大学院医学系研究科小児病態学分野 呉 繁夫 先生 寄稿

今日は2017年3月11日。14時46分に黙祷を行い、丁度6年前となった「あの日」のことを思い出しながら、この文章を書いています。現在、震災で大きな被害を受けた宮城県内の小児医療施設は、ほぼ震災以前の診療機能を取り戻しています。これも全国の方々からのご支援の賜と心より御礼申し上げます。そのなかで、石巻市夜間急患センター小児科には、現在も東日本大震災小児医療復興新生事務局を通じて、小児科医師の派遣を頂いています。震災6年経った現在も多くの先生方のご支援が続いていることは感謝に堪えません。また、この診療支援を支えて頂いている日本小児救急学会や宮城県庁医療整備課の方々に心より御礼申し上げます。昨年12月1日より、石巻市夜間急患センターは、重症例への対応等で石巻赤十字病院小児科との連携強化を目指し同院敷地内に移転しました。未だ小児科医師不足が続いている石巻市夜間急患センターを今後とも「ほそくながく」ご支援頂ければ幸甚に存じます。

平成29年3月11日

呉 繁夫

Phote (Kure S)

「明日へ」第1回

「あの日」を振り返るシリーズ(第回)

「あの日から」シリーズ(第回)を受けまして

新シリーズ「明日へ」で、

それでもなお、力強く踏ん張り、辛苦を堪え、診療を再開する

高田病院職員の皆様の様子を掲載させて頂きます.

こちらの内容は、2016年7月1日 仙台において行われた第30回日本小児救急医学会学術集会

特別講演 「被災した陸前高田市の医療復旧と小児医療」 岩手県立高田病院

前院長 石木幹人先生より頂いた貴重なスライド資料からの転載となります.

 

3月12日14時過ぎようやく、患者35名の搬送を終えた高田病院の職員の皆様は

米崎コミュニティーセンターで一晩を過ごすことになります.

その後、「米崎コミセン」は、高田病院が職員一丸となって

診療再開ののろしを高々と上げた拠点ともなりました.

ただ、当時の同センターは停電で真っ暗だったとのことです….

米崎コミセン

日本小児救急医学会雑誌 15巻1号 78-83 (2017年)

日本小児救急医学会 災害医療委員会 東日本大震災継続支援ワーキンググループの活動報告を

掲載させて頂きます(こちら

ほそくながく、ただひたすらに 真っ直ぐ 寄り添い歩む

2017.3.11 14:46となりました

あの日、多くの方々が、最愛の人と突然の別れを経験しました

厚生労働省資料(1.8万人を超える犠牲者の中で、小児の犠牲者は748人(4.0%))

スライド2

多くの犠牲者の中で、助けを得られなかったこどもが、きっとたくさんいたはずです

スライド1

今なお、いるかもしれません

スライド1

医療者も被災者でした

石木院長新聞報道

 

本事務局では、ただひたすらに、現地のこどもたちに寄り添い

歩み続けている、多くの小児医療関係者とともに

ほそくながく、寄り添い歩んで頂ける

全国のこころを、お待ちしています!

こどもたちの輝く笑顔のために!(写真 高田病院職員の皆様、写真右 大船渡のこどもたち)

高田病院診療スタッフ(院長含む)集合写真 IMG_9477

 

東日本大震災からの復興、そして地域の輝く未来に向けて (事務局代表 福士 昭)

岩手・宮城・福島の3県に未曽有の被害をもたらした東日本大震災。

あの日から幾年月が流れようとも、私たちの深い悲しみが癒えることはありません。

 

津波の被害により深い傷跡を残した被災地では、復興後の輝く地域の未来を見据えて、関係者が一丸となって全力で復興に取り組んでいます。

「奇跡の一本松」で知られる岩手県陸前高田市では、壊滅的な被害を受けた市街地全体を津波から守るための高さ12.5メートル、延長2キロにも及ぶ巨大な防潮堤が完成するなど、安全・安心の街づくりが各地で進められています。

また、地域で暮らす住民の皆さんの命と健康を守るため、全壊した県立大槌病院、県立山田病院の再建が完了し、新たに県立高田病院の建設工事が始まるなど、地域医療においても復興の歩みが着実に進んでいます。

 

一方で、被災地などでは、依然として深刻な医師不足が続いており、地域医療を取り巻く環境がさらに厳しさを増してきております。

このような中、この事業を通じ、全国の小児科医師の皆様からいただいた温かいご支援は、将来の地域の担い手となる子どもたちとそれを見守るすべての方々に安心感をもたらし、地域医療の確保に奔走する医療関係者の皆さんをどれほど勇気づけたことか計り知れません。

これまでの幾多にわたるご支援に対し、この場をお借りして厚く御礼申し上げるとともに、本事業を支えてくださる学会関係者や関係大学の皆様、関係各位のご尽力に対し、深く敬意を表する次第です。

 

この事業で紡がれた被災地と全国の小児科医師の皆さんとの命の絆が、「ほそく ながく」将来にわたって受け継がれ、さらにそれ支援の輪が広がり続けていくことを強く願っております。

 

今後とも、被災3県の9病院・施設へのご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

 

平成29年3月

東日本大震災小児医療復興新生事務局代表

岩手県医師支援推進室医師支援推進担当課長 福士 昭

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