事務局からのお知らせ

特別寄稿 『震災後に東北で勤務して感じたこと』岩手県立磐井病院小児科 東梅ひろみ先生

わたしが東北で初めて勤務させてもらったのは2014年だったので、震災からすでに3年経過し震災直後に比べれば少し落ち着いた頃だったのだと思います.
1ヶ月は岩手県立大船渡病院、その後1週間は現勤務先の岩手県立磐井病院で応援医として勤務させていただきました.
至る所で震災経験者の生の声を耳にし、復興途中の努力を目にし、大変な時期を乗り越えようと皆さんが必死に頑張っていることを感じました. そんな中でわたしが驚いたのは「人の優しさ」でした。応援医である短期間勤務のわたしを、本当に快く仲間として迎え入れてくれました. 渕向先生をはじめとする多くの先生方や病院スタッフの方々のことが強く印象に残り今でも鮮明に覚えています. 震災という辛い経験がここまで人を優しくするのか?元々の県民性なのか?震災後の応援医という立場では不謹慎なのかもしれませんが、非常に楽しく心地よく仲間に入れてもらえたことを今も非常に感謝しています.

それから、月日が流れ現在は常勤医として磐井病院にお世話になっていますが、震災後のあの思いや経験がなければ今こうして岩手県にいることはなかったと思います. 現在は、わたし以外に小児科常勤医3名・看護師・他職種スタッフの皆さんと毎日働かせてもらっています. 決して十分な人数だとは言えませんが、それぞれがそれぞれの立場から、体力的にも精神的にも一人にだけ無理がかからないように自然とお互いを支え合えあえている職場だと感じています.

震災を通して知り合えた大切な仲間であり、職場だと思っています.