事務局からのお知らせ

特別寄稿 公益社団法人 日本小児科学会会長 岡明 先生

東日本大震災の復興の支援として始まったこの事業は、関係者の皆様のご協力と大変なご尽力によって、こうして10年を迎えることになりました。震災により甚大な影響を受けられた地域の小児医療保健活動への支援として始まり、その後、地域にお応えする形で全国から小児科医師が交代で応援に継続的に行くという息の長い事業となりました。この間に、医療の側から地域のこどもたちの育ちに寄与できたのであれば、小児科医として幸せなことであると思います。地域の行政と医療現場、学会、そして個々の小児科医の思いがつながるということは、素晴らしいことと思います。さて、この10年間は、岩手県、宮城県、福島県の皆様にとっては大変なご努力による復興の時期であったかと思いますが、日本の医療の状況としては、残念ながら少子化が進行し、地域間の小児医療資源の格差も改善していないと認識しています。次世代を担うこどもたちが健康に育つ環境作りは、日本の未来であり、小児科医としての役割であると思います。こうした視点でも、本事業で培われた協働の形が、わが国の将来を照らす重要な意味を持つのではないかと考えます。皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。

令和3年2月1日
公益社団法人 日本小児科学会 会長
埼玉県立小児医療センター 病院長
岡 明