岩手県
  • 岩手医科大学医学部 小児科学講座 教授 赤坂 真奈美  1万8千人超の死者・行方不明者を出した東日本大震災から10年の節目を迎えました。この間に全国の皆様からの多大なるご支援をいただきながら、安全確保につながる復興道路の整備、暮らしの再建のための災害公営住宅の整備、なりわいの再生などインフラ整備は確実に進みました。小児医療に関しては、岩手県は震災以前より深刻な医師不足であったため、日本小児科学会、日本小児救急医学会の皆様のお力添えなくして、ここまでの復興の道を歩むことはできませんでした。2011年3月11日、大震災のなか、被災した沿岸の医師のみならず、自分たちもどうしたらよいのかただ途方に暮れていた岩手県内内陸の小児科医達を、被災地の現場に気持ちを向け、支援へと背中を押してしてくださったのも、日本小児科学会、日本小児救急医学会の先生方でした。震災直後から現在に至るまで、東日本大震災小児医療復興新生事務局を通して全国から被災地へ切れ目のないご支援をいただいていること、両学会の素晴らしい先生方の行動力に、改めまして心より感謝申し上げます。
     岩手で94人にのぼった震災孤児や、震災時に妊娠中で直接震災経験のない子どもたちでさえ、その後落ち着きのなさや切れやすさといった問題を抱えることが近年わかってきており、被災地の子どもたちの本当の復興は10年経過した今もまだ途上にあると言わざるを得ません。現在岩手県内で支援をお願いしている6つの病院のうち、4つは常勤医1人で奮闘しています。全国で大変な猛威を振るうCOVID-19は大災害にも匹敵しますが、医師不足のままの岩手県、特に被災地沿岸部であっても地域格差なく子どもたちを守るために、皆様からの末永いご支援をいただきますよう今後ともよろしくお願い申し上げます。
    2021年8月26日
    過去のコメントはこちら
  • 東日本大震災小児医療復興新生事務局代表 岩手県医師支援推進室 医師支援推進担当課長 菊地 宏明
     東日本大震災小児医療復興新生事務局の総合窓口と岩手県担当を務めております、岩手県医師支援推進室の菊地と申します。
     東日本大震災津波から12年余が経過しました。
     これまでに全国の小児科医の先生方からいただいた多くの温かい御支援が、将来の地域の担い手となる子どもたちや、地域医療の確保に奔走する医療関係者にとって、どんなに心強く、安心感をもたらしたのか計り知れません。
     全国各地から、被災地のために御支援賜りましたことにつきまして、改めまして深く感謝いたしますとともに厚く御礼申し上げます。また、当事務局の事業に御支援くださっている皆様に対しましても改めて感謝を申し上げます。
     岩手・宮城・福島の3県に甚大な被害をもたらした東日本大震災からの復興事業により、岩手県では被災した県立病院が再建されたほか、現在では復興道路・支援道路・関連道路が完成し、県土の縦軸、横軸を構成する、新たな道路ネットワークが形成されました。また、防潮堤などの津波防災施設も整備が進み、その多くが完成しました。
     復興は着実に進み、より大きな希望が持てるようになっています。
     一方で、被災地などでは、依然として深刻な医師不足が続いており、地域医療を取り巻く環境がさらに厳しさを増してきております。
    全国の小児科医の皆様におかれましては、このような被災地の事情を御考慮いただき、今後とも、「ほそくながく」御支援いただきますよう、よろしくお願いいたします。
    2023年4月13日
    過去のコメントはこちら