みんなのコメント[岩手県立大船渡病院]

新地に立つ - adovocate(代弁者) -野村 理(所属:東京都立小児総合医療センター 救命救急科)

2013/12/23 [岩手県立大船渡病院]
12月16日、17日の2日間、大船渡病院、高田病院での診療支援の機会を頂きました。
東北出身でありながら震災後ずっと支援に伺うことができず、今回ようやく願いを叶えることができました。
大船渡、陸前高田の旧市街地の新地(さらち)に立つと、ここにたくさんの家庭があり、それぞれが生活を営み、
こどもたちが育っていたということは理解していても、やはり想像できない、受け止めきれないという感情を抱きました。だからといって東北を出ている自分に何ができるわけでもない無力感は途方もなく募るわけでした。
そんな中でも、2つの病院の先生方やスタッフの方々が困難に対峙しながら、そこに居続け
笑顔でこども達を見守る姿はまさにadvocate(代弁者)でした。
そして、こども達は、診察室で大きな声で挨拶をしてくれ、大きな口をあけて診察に応じてくれます。
この子たちがあの新地(さらち)に新しい家、家庭、生活、街、地域を作っていくのだと思うと「普通」の一般小児科外来、予防接種が別の意味を持つように思え、感じたことのない充実感のようなものに包まれました。
このような素敵な機会を頂けたこと、先生方、スタッフの方々、こども達、ご家族の皆様に感謝申し上げます。
今後も何度でも伺えればと存じます。この度は本当にありがとうございました。

楽天優勝と笑顔豊福 明和(所属:横浜労災病院 小児科)

2013/12/19 [岩手県立大船渡病院]
小児科学会のHPを見ていたと ころ、東日本震災小児医療復興新生児事務局のHPにたどりつきました。
HPを見ると、1週間や1ヶ月などの期間でなく、数日の単位 でも被災地応援に行けることを知ることができました。
数日間でも何かできるのだと思い、3連休に大船渡病院に行かせていただきました。
電子カルテの使い方など色々教えてくださった、先生方、スタッフの方々、本当にありがとうございました。
震災当時のまま残っている建物を見たり、当時のお話を聞かせていただくことは、とても辛かったですが、
現状を少しですが知ることができたと思います。
小学校の校庭には仮設住宅があり、その片隅で子どもたちが集まっていました。
これからも、この子どもたちを少しでも笑顔にできるお手伝いができればと思いました。
ちょうど楽天優勝の時でしたので、皆さんの笑顔がみれて嬉しかったです。
ぜひ、また行かせていただければと思います。

大海の一滴川野 達也(所属:大分大学医学部小児科)

2013/11/16 [岩手県立大船渡病院]
平成25年3月から小児科学会の支援事業および当科教授の指示により、毎月の岩手県気仙地区(大船渡市、陸前高田市)への定期診療応援が始まり、8回目の今回、10月23日~26日まで大船渡市に来させていただきました。
ここに来るまでは、実質2日半の支援で自分に何が出来るのか、非常に疑問に感じでいました。
大震災から2年半が経過した今でも、復興とは程遠い現状を目の当たりにし、とても衝撃を受け目の前が涙でかすみました。被災地の今を身を持って実感できたことは、私にとって大きな意識改革につながりました。医療支援の初めの一歩として、被災地や小児医療の状況を身をもって知っただけでも、意義があることと思いました。
私達の支援は、大海のたった一滴の水に過ぎないのかもしれません。でもその一滴の水が集まって大海になるのだという思いを新たにしました。出来ることは限られていますが、それでも自分達に出来ることをコツコツと続けて行きたいと強く思うようになりました。これから被災地の先生方や地域の方々に貢献するには何をすべきか考え続けて行きたいと思います。是非、今後も継続し、本当の意味での医療支援につなげていきたいと思います。当地の小児医療の発展を願ってやみません。
このような機会を与えていただき、本当にありがとうございました。

気仙地区診療支援 - 衝撃と一考 -関口 和人(所属:大分大学医学部小児科)

2013/08/22 [岩手県立大船渡病院]
 6月末に3泊4日の日程で、大分大学の東北地方への医療支援の一員として医療支援に参加させていただきました。大船渡病院、高田病院の外来診療に従事しました。診療をやさしくサポートしてくださったスタッフの方々に感謝いたします。私は今回はじめて被災地に参りました。震災当時の様子を先生方や住民の方々から直接伺う機会を設けていただき、衝撃を受けるとともに、深く考えさせられました。大変、貴重な時間を過ごすことができました。災害医療、地域医療を経験したことのない中堅、若手の先生には、ぜひ参加をおすすめいたします。

大船渡訪問のこと増田 敬(所属:同愛記念病院小児科)

2013/07/31 [岩手県立大船渡病院]
6月30日大船渡で行われた“こどものアレルギー”に関する講演、相談会のため訪問させていただきました。昨年は釜石で保育園職員を対象とした講演会に出席しました。私は平成15年1月まで5年間国立療養所盛岡病院小児科・アレルギー科に勤務していました。

妻の実家も花巻市にあり、3年前に亡くなった義父は小児科の開業医として40年以上にわたり岩手の小児医療に携わっていました。このような背景があることで、震災に際して何かやらなくては、と妻と話し合っていました。しかしながら、現所属小児科の人員減少などで長期的な医療支援ができず、知り合いのいる陸前高田などに支援物資を運んだり、医薬品を送ったりするくらいしかできず心苦しく思っていました。同愛記念病院は関東大震災後の復興目的でアメリカが支援し国が設立したという経緯があり、もっと積極的な支援をしなくてはいけなかったと後悔しています。昨年、今回の三陸訪問は直接的な医療支援ではありませんでしたが、アレルギーに関わることで困っている家族が多いこともわかりました。今後も自分の専門分野におけるリクエストがあれば、いつでも参上するつもりでおります。今回お世話になった子育てサポーター「スマイル」とNPO法人アレルギー支援ネットワークのみなさん、県立大船渡病院の渕向 透先生、そして患者家族の皆さんにお礼申し上げます。