事務局からのお知らせ

東日本大震災から6年(日本小児救急医学会 理事長 市川光太郎 寄稿)

2011.3.11.から丸6年を経て、明日で7年目に入ります。もしも、ヒトの死で喩えれば、七回忌となります。一つの節目として古代から故人を偲び、身近に呼び、故人との相交わりを求めた儀式は色濃く日本社会に残っています。しかし、直接関与する多くの犠牲者の関係者では当然のことですが、そうでない多くの国民からは遠のく過去の事実として、忘却の館に入れられつつあることも事実です。

あの震災で、かけがえのない仲間の小児科医と地域小児医療体制を失ってしまいました。何よりも多くの子ども達を為す術もなく失ってしまいました。一般社団法人日本小児救急医学会としても有機的にも無機的にも損失が大きいものと考え、その損失のショックにより、強く医療支援活動への心を揺り動かされました。直ちに立ち上げた学会災害医療委員会(現齊藤修委員長)のご尽力で、単なる災害支援医療ではなく、これを基に、地域小児医療の支援を「ほそくながく行おう」とのコンセプトで、東北三県の復興新生事務局を岩手県庁内に設立し、活動を続けることができています。

いまでも、多くの先生がたが診療支援にできる範囲で駆けつけて頂いています。世界的被害規模の中で真の復興までは相当な、気の遠くなる時間が必要となることでしょう、その中から、亡くなった子ども達の心を中心としたメッセージを代弁してその内容を紡いでいくことが我々学会員に求められていることだろうと想っています。

「ほそくながく」の支援を現地からもう良いですといわれるまで学会としては続けていく所存です。是非ともその意に賛同して頂き、復興新生事務局を通じて医療支援活動をして頂きたいと願っています。

2017.3.10.

一般社団法人 日本小児科救急医学会理事長

北九州市立八幡病院小児救急センター

 市川光太郎

写真_市川光太郎