事務局からのお知らせ

令和元年 岩手県担当(事務局代表)あいさつ

 東日本大震災小児医療復興新生事務局の総合窓口と岩手県担当を務める、岩手県医師支援推進室の高橋と申します。

 東日本大震災津波から8年余が経過しました。

 これまで、全国各地から、被災地のために御支援いただいた多くの小児科医をはじめとする医師の皆様に心から感謝申し上げます。

 私が所属する岩手県では、平成23年8月に策定した「岩手県東日本大震災津波復興基本計画」の計画期間が満了し、新たに策定した県の総合計画である「いわて県民計画2019-2028」に統合したうえで、同計画の実施計画である「復興推進プラン」において、震災伝承の取組と震災情報発信の取組を新たに加え、復興事業を継続することとなり、引き続き、被災者の方々一人一人に寄り添った支援を行いながら、復興を進めていくこととしております。

 これまでの取組により、復興道路については、東北横断自動車道釜石秋田線が本年3月に全線開通し、内陸部と沿岸部が高速道路網で結ばれました。さらに、沿岸部の高規格道路である三陸沿岸道路においては、大槌町の一部区間を除き、宮古市から陸前高田市までの南半分の区間が完成しました。

 また、土地区画整理事業等の市町村の復興まちづくりでは、全体の8割以上の宅地が供給され、災害公営住宅も整備予定戸数の95%が完了するなど基盤整備が進んでいます。

 震災により被災した県立病院については、平成28年度に開院した県立大槌病院、県立山田病院に続き、平成30年3月の県立高田病院の完成によりすべての県立病院の復旧が完了したところです。

 しかしながら、震災から8年を経た今も、応急仮設住宅や民間アパート等のみなし仮設住宅に、本年3月末現在で2,113人の方が入居しており、被災地の医療は、一層、重要性を増しているところです。

 特にも、小児医療については、震災当時、子供に適切な医療を受けさせるなどの理由により内陸部の市町村に避難し、その後定住する方もおり、沿岸部はもちろん、内陸部の児童生徒にも心のケアが必要な方がいるなど、被災地の復興には、安心して子育てできる生活環境の構築が不可欠であり、小児医療の充実は、復興まちづくりの中心的な課題であると思っております。

 全国の小児科医の皆様におかれましては、被災地の事情を御考慮いただき、引き続き、「ほそくながく」御支援いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 併せて、ぜひ一度、被災地にお越しいただき、復興していくまちの姿を御覧いただければ幸いに存じます。

 最後に、本事業の実施に当たり、日本小児科学会及び日本小児救急医学会並びに日本小児救急医学会災害医療委員会東日本大震災継続支援WGの関係者及び関係各位の御理解と御協力に対し、深く感謝いたしますとともに厚く御礼申し上げます。

平成31年4月

東日本大震災小児医療復興新生事務局代表

 岩手県医師支援推進室 医師支援推進担当課長 髙橋新吾