事務局からのお知らせ

特別寄稿 岩手県立遠野病院 院長 郷右近祐司 先生

東日本大震災から10年目を迎えて

当院の位置する遠野市は、四方を美しい緑の山々に囲まれた盆地にあり、「民話のふるさと遠野」として、全国的にも有名な郷愁の漂う街です。

平成23年3月11日に発生した東日本大震災の被災直後は、給湯管破裂により、階下の5階病棟は水浸しの状態で使用出来ず、3階と4階に患者さんを振り分けて入院診療を継続しておりました。

3月14日からは通常外来診療を開始しましたが、応援医師が、交通事情により来院出来なくなり、数日間、休診となった診療科も生じたところです。

現在の小児科は、常勤医師1名体制であり、「東日本大震災小児医療復興新生事務局」からの支援として金~日曜日の夜間・休日応援(不定期)を得て、診療体制を維持しております。平成25年4月から現在までいただいたご支援は、120回以上となりました。

今後も、当院は、遠野市を中心に診療圏人口31,000人を対象とする地域総合病院として、12診療科、122床で運営し、「地域のニーズに応え、優しく患者さんに寄り添い、笑顔のある病院」をコンセプトとして、地域に密着した医療を積極的に行って参ります。

岩手県立遠野病院 院長 郷右近祐司

写真は院内栽培のブドウと、遠野病院正面玄関