事務局からのお知らせ

特別寄稿 岩手県立久慈病院 小児科長兼医療研修科長 遠藤正宏

東日本大震災から10年目を迎えて

あの大震災から10年、長いようで短くも感じます。久慈医療圏でも野田村で中心部が壊滅的な被害を受けるなど、多方面に大きな影響が生じました。震災後に感じるのは岩手県民の皆様の苦境に負けない力強さと粘り強さでした。日常生活が立ち行かない方もいる中で、お互いに助け合ってここまで来られたのだと感じます。その中で顕わになったことは医療的ハード面、ソフト面の偏在化なのだと改めて気づかされます。特に久慈医療圏は高齢化・過疎化の先端をいくような地域であり、従来抱えていた問題点が大災害を経てより明らかになってきました。そして、震災に匹敵するような天災が繰り返され、COVID-19が猛威を振るう中で、これらのことは全国どの地域でも起こりえることなのかもしれません。当院でも復興支援を通じて多くの支援を賜って参りましたが、岩手の片田舎に興味を持って遠方から来て頂くことに感謝の念を禁じえません。これまで来られたすべての先生方と事務局にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。

岩手県立久慈病院 小児科長兼医療研修科長 遠藤正宏

写真 小児科外来スタッフと遠藤医師(右から2人目)